TA Practice グラフ説明 集中トレーニング 1. 帯グラフ

1. 帯グラフ/100%積み上げ横棒グラフ(band chart/band graph) 

 

★本トレーニングの学習時間を、Homeworkワークシートに記入します。

ストップウォッチなどを使い学習時間を測りましょう。

 

このトレーニングでは、帯グラフを用いて「ロジカルにわかりやすく」「正確に」説明するスキルを身に着けます今回は、下記の帯グラフを使い練習していきます。まずは設問と帯グラフに目を通してください。

 

問題:

This graph shows the carbon emission sources for Country A and Country B in 2012. Look at the information and talk about the carbon emission sources for Country A and Country B.

1.グラフを「ロジカルにわかりやすく」「正確に」説明する5つのポイント

英語でどう説明するかを確認する前に、どの言語であっても共通するビジネスシーンにおいて「ロジカルにわかりやすく」「正確に」説明する際のポイントを、日本語で確認していきましょう。ポイントを5つご紹介します。

 

ポイント①「型」に沿う
ビジネスパーソンの皆さんは、思考を整理する際、フレームワーク(枠組み)をよく活用するのではないでしょうか。例えば、PDCA(Plan、Do、Check、Action)、5W1H(When、Where、Who、What、Why、How)など、フレームワークを活用して自分が伝えたい情報を整理したり、相手と共通のフレームワークを使うことで意思疎通を円滑にしたりしている方も多いと思います。

相手に何かを説明する際、フレームワーク、つまり「型」に沿った話し方をすることで、情報をロジカルにわかりやすく相手に伝えることができます。特に、グローバルなビジネス環境においてよく使われる話し方の「型」を覚えておくと、同じ「型」に馴染みがある聞き手の負担が軽減され、コミュニケーションの効率が各段に上がります。

ここでは、グローバルなビジネス環境においてビジネスパーソンがよく使う「型」のうち、グラフ説明でよく用いられる「型」を2つ紹介します。

  • 全体像→詳細
    「本日は〇〇について話します」など、冒頭で全体像を伝えてから詳細に入るという「型」です。プレゼンテーションをよくするビジネスパーソンにとっては、馴染みがある「型」ではないでしょうか。グラフ説明においても、この「全体像→詳細」の「型」を使って話してみましょう。まず、全体像として「どんなグラフについて今から話すのか」を伝えます。具体的には、全体像として下記の2点に言及しましょう。
    ・タイトル(carbon emission sources for Country A and Country B in 2012)
    ・要素(manufacturing / farming / transportation)
    全体像(タイトル、要素)を述べたあとに、グラフの詳細について伝えましょう。
  • 事実→解釈
    全体像を述べた後、グラフの詳細について伝える際は「事実→解釈」の型で話すのがおすすめです。フレームワークで「空・雨・傘」と呼ばれるものがあります。空は「事実」、雨は「解釈」、傘は「解決策」を指し「空に雲が出てきた(事実)」「雨が降りそう(解釈)」「傘を持っていこう(解決策)」と、「事実」「解釈」「解決策」を分けて、順序立てて説明しましょう、というものです。これはグローバルなビジネス環境においてよく使われるフレームワークのひとつで、特に前半の「事実」「解釈」の順で説明する「型」は一般的です。グラフを説明する際も、このフレームワークに沿って説明するとよいでしょう。まず事実としてグラフの内容を読み上げ(数値や比較など)、そのあとにグラフから読み取れるあなた自身の解釈や考察を伝えましょう。

 

ポイント②内容を絞る
プレゼンテーションなど実際のビジネスシーンでは、限られた時間の中であなたが伝えたいことを効果的に伝えることが大切です。もし、グラフの隅々まで細かい情報を全て羅列して伝えてしまうと、限られた時間の中であなたが本当に伝えたいメッセージが伝わらなくなってしまいます。目的に合わせて、伝えるべきこと、伝えなくていいことをしっかり優先順位付けして、伝えるべきポイントを簡潔に言いましょう。例えば、まず「manufacturing」、次に「transportation」に焦点を当てて言及し、「farming」 については言及しない、といった優先順位付けが可能です。

注意点としては、優先順位付けする際、重要なポイントを絶対に落とさないことです。例えば、聞き手は初めてグラフを目にすると想像してみてください。前提となる全体像(タイトル、要素)を省略してしまうと、聞き手はあながた何のグラフについて今から話すのかわからないまま話を聞くことになり理解するのに負担がかかってしまいます。重要な点は省略しないで必ず伝えるようにしましょう。

 

ポイント③比較する
何かの特徴について説明する際、もう一方と比較しながら説明すると伝わりやすくなります。例えばあなたが商品やサービスを購入する際に「他社商品との比較」を目にする機会が多いのではないでしょうか。グラフの説明において「比較」は非常に便利なので、自信を持って比較できるようにしておきましょう。英語で比較するときは「〇は何%」「△は何%」と数値を羅列するのではなく、「〇は△より多い/少ない」「ほぼ同じ」など、差異を明確にすることもポイントです。

 

ポイント④接続詞を使う
プレゼンテーションでは、聞き手の記憶に残るようにロジカルに伝えることが大切です。ロジカルに伝えるために便利なのが接続詞です。「はじめに」「次に」など順序を明確にする接続詞や、「一方で」「しかし」など比較する際によく使う接続詞など、様々な接続詞があります。具体的な英語の接続詞については次のパートで紹介します。

 

ポイント⑤数値など、グラフの内容を言い間違えない
人間なので、ついうっかり読み間違えてしまうことがあるかもしれませんが、例えば商談において金額など重要な情報を読み間違えると、相手に誤解を与えてしまい、場合によっては大きなビジネス上のトラブルに発展してしまいます。グラフの内容を事実として読み上げる際は、数字やグラフの内容を読み間違えないように注意し、グラフをよく見ていない相手だったとしても確実に伝わるよう正確にはっきりと言うようにしましょう。

下記がよくある言い間違いの例です。特に注意しましょう。
・年、パーセントなど数値を間違える (2012を2020と言ってしまう、12%を20%と言ってしまう、など)
・「A国よりB国が多い」と伝えるべきところ、誤って「B国よりA国が多い」と逆にしてしまう
・「ほぼ同じ」を「同じ」と言い切ってしまう

 

2.便利な英語表現

では次に、グラフを説明する際によく使われる便利な英語表現を覚えましょう。

 

・グラフのタイトルを伝える
The graph shows [グラフのタイトル].
I’m going to talk about [グラフのタイトル].

 

・比較する
〇は△より高い
The percentage of [manufacturing] was higher in [Country B] than in [Country A].

〇は△より低い
The percentage of [farming] was lower in [Country B] than in [Country A].

〇と△はほぼ同じ
The percentages of [transportation] were similar in both countries.
The percentages of [transportation] were almost the same in both countries.

〇と△は全く同じ
The percentages of [transportation] were the same in both countries.
The percentages of [transportation] were exactly the same in both countries.

 

・接続詞
順序立てて話す
「はじめに/次に/最後に」 first/second/last など

比較する
「一方で」    while, on the other hand など
「しかし」  however, but など

 

【参考】
実際のビジネスシーンであなた自身がよく使いそうな接続詞をインターネットなどで調べて、いくつかピックアップして練習しておくこともおすすめです。また、こちらの記事で接続詞について紹介していますので、接続詞について学ぶ際に参考にしてください。

 

3.モデル回答

冒頭の帯グラフに対するモデル回答は下記の通りです。学んだポイントや表現をもとに、確認してみましょう。また、モデル回答には音声もご用意しています。音声を再生し、音や意味を理解しましょう。

問題:
This graph shows the carbon emission sources for Country A and Country B in 2012. Look at the information and talk about the carbon emission sources for Country A and Country B.


モデル回答:

 

<全体像(グラフのタイトル、3つの要素)を冒頭で言及>
This graph shows the carbon emissions of country A and country B in 2012.There are three main sources: manufacturing, farming and transportation.

<伝えたい内容を「mafunacturing」に絞り、比較を用いて、事実→解釈の順で説明>
First, let’s look at the percentages of manufacturing in Country A and Country B. The percentage of manufacturing was higher in Country B than in Country A, with 12% in Country A and 43% in Country B. From this we can say that country B had a more industrialized economy, whereas country A was more agricultural.

<伝えたい内容を「trasnportation」に絞り、比較を用いて、事実→解釈の順で説明>
On the other hand, for transportation, the percentages were quite similar in both countries. In Country A it was 27% and in Country B it was 30%. Based on these data, it can be said that the dependency on transportation was almost the same between Country A and Country B.

 

4.モデル回答を口に出すトレーニング

今度は、先ほど「3.」で確認したモデル回答を何度も口に出して練習しましょう。トレーニングする上で特に重要な点は以下の3つです。

グラフをはじめて目にする人にグラフの内容を伝えるつもりで発話する

あなたの聞き手は今はじめてグラフを目にすると考えてください。冒頭で紹介した5つのポイントを押さえながら「ロジカルにわかりやすく」「正確に」発話するイメージが持ててくるでしょう。

最初は音声を聞きながら練習する

最初は音声のあとリピートするなどして、音や意味を確認しながら練習しましょう。英語の音や意味を十分に理解し、自分でもスムーズに発話できると感じるようになったら、今度は音声なしで練習しましょう。

口に出して、暗記するくらい何度も練習する

どんな場面であっても「ロジカルにわかりやすく」「正確に」グラフを説明するためには、意識しなくてもポイントや表現を押さえた発話ができるようになっておくことが大切です。「えっと、まずは冒頭でタイトルと要素を言って…」「接続詞はこれを使って…」と頭で考えながら発話しているうちは、いざ本番となったときに力を発揮するのがまだ難しいでしょう。モデル回答は、様々な説明の仕方がある中でのひとつの例ではありますが、重要なポイントやよく使う英語表現を押さえた説明の例の一つです。ポイントや表現を意識しながらモデル回答を何度も口に出して練習し、暗記するくらい何度も繰り返すことで、意識しなくても文章が口から出てくる状態を目指しましょう。

 

5.実践トレーニング

今度は、同じ帯グラフを見ながら自分で文章を作って文章を書いてみましょう。数字は間違えずに発話できるよう、数字ではなく必ずスペルで書いてください。(例:2012は「2012」ではなく「twenty twelve」と書く。)目安として、合計150 words以内で文章を作りましょう。

※作った文章はHomeworkワークシートに記入してください。

問題:
This graph shows the carbon emission sources for Country A and Country B in 2012.
Look at the information and talk about the carbon emission sources for Country A and Country B.

自分で作った文章が、下記の5つのポイントをクリアしているかセルフチェックしてください。チェックしながらできていないと気づいたポイントがある場合、文章を修正しましょう。また、自分で作った文章を声に出して、何度も練習しましょう。

【参考】更に実践トレーニングを積みたい場合

類似のグラフをインターネットなどで探したり、手書きでもいいので自分で作ったりしましょう。そのグラフを「ロジカルにわかりやすく」「正確に」説明してみましょう。スキルを確実に定着させるためには、このように他の素材を使って応用して練習するのがおすすめです。

 

6.Homeworkワークシート提出

「5.実践トレーニング」の回答と、本トレーニングの学習時間(分)を記入し、他のHomeworkと一緒に提出してください。

学習時間記入例:グラフ説明集中トレーニングを、金曜日に60分トレーニングを実施した場合(黄色)

お疲れさまでした!

なお、グラフを説明することが苦手だと感じている方は、Homeworkワークシート提出後もモデル回答やご自身で作った回答を何度も繰り返し口に出して練習することをおすすめします。はじめは意識しないとできなかったことが、何度も練習しているうちに意識しなくてもできるようになり、実際のビジネスシーンでも確実に力を発揮できるようになってきます。繰り返し口に出す練習をぜひやってみてください。

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