CEFRにおけるスピーキングスキルの考え方
「Task Achievement (TA)」と「発話の質 6 項目」
あなたは靴屋の店員だとします。お客様が来店し、あなたに英語でこう尋ねたとします。
「旅行に行くことになり、旅行用の靴を探しています。おすすめの靴はどれですか。」
あなたが「えっと…この靴がおすすめです。」と指さすなどジェスチャーを駆使しながら、 知っている語彙を思い出しながら、言葉に詰まりながらなんとか説明したとします。 あなたの英語がたどたどしかったとしても、「この靴がおすすめです」という文脈が伝わったのであれば、 そのコミュニケーションの目的である「靴をおすすめする」は「達成された」といえます。
一方、「旅行ですか!私も好きなんですよ。先月は沖縄に行ったんですけど透き通るような青い海が最高でした。それから…」と、 語彙力豊富に、そして流暢に、お客様に語ったとします。この場合、コミュニケーションの目的である「靴をおすすめする」は達成できているでしょうか。 語彙力や流暢さなど「発話の質」は素晴らしいかもしれませんが、靴をおすすめしていませんので、肝心のコミュニケーションの目的が果たせたとは言えません。
このように「目的を果たせているか」「質問に対してどの程度回答となり得ているか」を Task Achievement (TA)と呼びます。
本プログラムで実施するレベルチェックテストでは、「Task Achievement (TA)」と「発話の質 6 項目」2 つの観点からスピーキングスキルを評価します。
「Task Achievement (TA)」と「発話の質 6 項目」、2 つの観点はもちろんどちらも重要ですが、「Task Achievement (TA)」は最も重要視される力です。なぜなら、豊富な語彙力や流暢さ、正しい文法など発話の質がどれだけ高かったとしても、目的(先ほどの例の場合、目的は「靴をおすすめする」)をそもそも達成していなければ、良いコミュニケーションとは言えないからです。